アレルギー
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徐放性テオフィリン顆粒KT-200GのPharmacokineticsの検討
安浪 純井上 壽茂土居 悟丹羽 久生林田 道昭豊島 協一郎
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1981 年 30 巻 9 号 p. 893-898

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抄録

徐放性テオフィリン顆粒KT-200Gのbioavailabilityを検討し, 気管支喘息患児に対する投与計画を把握するため血中濃度の推定を行った.成人でのKT-200Gの吸収速度定数は, 朝食前投与で0.44h^-, 朝食後投与で0.31h^-と推測され, 徐放性はすぐれていると考えられた.喘息患児に対するKT-200Gとテオナ[○!R]およびテオナP[○!R]との交叉投与を行うと, 両群のテオフィリン投与量を同一とした時の血中濃度に有意差がみられず, KT-200Gのbioavailabilityは良いと思われた.喘息患児に対しネオフィリン[○!R]を静注した結果から, テオフィリンの分布容量は0.473±0.093(1/kg), 排泄速度定数は0.117±0.016(h^-)(平均±SD)を得た.これらの平均値を用いてKT-200Gを投与した時の血中テオフィリン濃度をone compartment open modelで推定すると, 12時間ごとの投与で安全・有効な血中濃度が維持されることが予想された.KT-200Gの徐放性は良く, 顆粒製剤であるため乳幼児への投薬および投与量の微調整が可能であるのでKT-200Gは有用な薬剤と思われる.

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© 1981 日本アレルギー学会
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