アレルギー
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小児の喘息及び鼻アレルギーにおける鼻粘膜過敏性の検討
鵜飼 幸太郎坂倉 康夫伊藤 由紀子浜口 冨美
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1982 年 31 巻 1 号 p. 38-45

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抄録

histamine 及び acetylcholine に対する鼻粘膜過敏性を小児のアトピー型気管支喘息患者51名について測定し, 小児鼻アレルギー患者のそれと比較検討することにより次の結論をえた. 1. 正常群及び鼻アレルギー単独群において鼻粘膜の histamin と acetrylcholine に対する過敏性閾値は小児と成人の間で差を認めなかった. 2. 小児気管支喘息群の histamine と acetylcholine に対する鼻粘膜過敏性閾値は小児鼻アレルギー単独群のそれに比べ有意に高値を示したが, 正常群のそれに比べ有意に低値であった. 3. 小児気管支喘息群において, 1秒率と鼻粘膜 histamine 過敏性閾値との間には相関性がなかったが, 1秒率70%以上のより軽症な喘息群においては有意に逆相関を示した. 4. 以上のことから小児喘息患者の上気道症状が小児鼻アレルギー単独群のそれよりも軽いのは, 小児喘息患者の鼻粘膜過敏性閾値が小児鼻アレルギー患者のそれに比べ有意に高いことが一因と考えられた.

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© 1982 日本アレルギー学会
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