変性IgGのモノマーに補体結合活性があるかどうかを検討する目的で, Clq固相ラジオイムノアッセイ法(ClqSPRIA)を用い, 正常人新鮮血清, 精製IgG, 加熱正常人血清のゲル濾過分画につき, Clq結合性IgGの分布を調べた.硫安沈殿法, DEAEセルロースクロマトグラフィ法, エタノール分画法により精製されたIgGにClq結合活性の増加が見られたが, 主としてモノマーIgGによるものであった.血清の加熱処理(56℃, 30分および62℃, 15分)により, Clq結合性IgGはvoid volume分画に出現するとともに, モノマー分画にも増加した.以上の成績から, 変性IgGはモノマーのままでもClq結合活性をもつようになることが示唆された.ClqSPRIAは, 免疫複合体のほかに, 生体内で産生あるいは形成された変性IgGをも検出している可能性があるものと考えられる.