アレルギー
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Antigen Pulsed SPCsの静注で惹起されるIgE抗体産生の抑制
馬渕 綾子
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1982 年 31 巻 10 号 p. 1063-1069

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抄録

in vitroで抗原をパルスした脾脂肪を同系マウスの尾静脈に注入することにより, その後の免疫によって産生されるIgE抗体が抑制された.この抑制の機作について検討し, 次のような結果を得た.1) 抗原をパルスした脾細胞の静注により, その後の免疫応答が強く抑制され, その抑制の程度は静注するAg pulsed SPCsの数に依存する.2) 抑制は抗原の種類やマウスの系を問わず一般的な生物現象である.3) 抑制はAg pulsed SPCsのi.v.投与で最も強く, s.c.投与ではわずかに認められたにすぎない.しかし, 抗原溶液単独のi.v.投与では抑制は認められなかった.4) 抑制はSPCs上にパルスされた抗原に特異的である.5) Ag pulsed SPCsを静注することにより, 抑制性細胞が誘導される.6) Ag pulsed SPCsの静注はIgE抗体産生を最も強く抑制するが, IgG抗体産性においてもその抑制が認められた.

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© 1982 日本アレルギー学会
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