1982 年 31 巻 12 号 p. 1194-1204
正常人, およびSLEリンパ球の試験管内でspontaneousな免疫グロブリン産生, およびssDNA抗体産生に対する単球の影響を検討した.単核球中の単球除去は, トロンビン法により, 培養上清中のIgGとIgMの測定はELISAで, 抗ssDNA抗体の測定は固相ラジオイムノアッセイで行った.SLEでは, 正常人に比べ, IgGおよびIgMの産生亢進があったが, 単球除去により低下がみとめられた.正常人では, 単球除去により, IgGおよびIgMの産生は上昇する傾向にあった.SLEにおけるIgGおよびIgM抗ssDNA抗体産生も, 単球除去により低下した.SLEの単球は, 免疫グロブリンおよび特異抗体産生に対しヘルパー作用を持ち, 正常人単球はサプレッサー作用があると考えられた.培養上清中の抗ssDNA抗体は, 血清中の抗ssDNA抗体と有意に相関し, 試験管内培養による特異抗体産生機序解明の可能性が示された.