アレルギー
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鼻アレルギー鼻粘膜上皮細胞間および固有層の肥満細胞 : 抗原誘発前後での電子顕微鏡的観察
川堀 眞一海野 徳二高橋 光明奥田 稔
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1982 年 31 巻 2 号 p. 94-99

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抄録

鼻アレルギー患者の鼻粘膜上皮細胞間および基底膜直下・深部の固有層の肥満細胞を抗原誘発の前後で電顕にて観察し, 次のような結果を得た.1.鼻粘膜上皮細胞間および上皮細胞層直下の肥満細胞は, 誘発後に脱顆粒率を増していた.2.鼻粘膜の深部の固有層の肥満細胞は誘発前にくらべ, 誘発後では脱顆粒率に増加を認めなかった.3.誘発後, 上皮細胞間および上皮細胞層直下の肥満細胞に認められた主な脱顆粒所見は, 顆粒周囲が空胞化したり, 電子密度が低下した顆粒, 電子密度が低下して顆粒内容が線維状, 細網状となった顆粒および空胞化した顆粒であった.以上より, 鼻アレルギー発症には上皮層およびその直下の肥満細胞が深部固有層の細胞より重要と考えられた.

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© 1982 日本アレルギー学会
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