アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
モルモット気管筋のコリン作動性神経刺激効果におよぼす Noradrenaline の抑制作用
上川 雄一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 31 巻 6 号 p. 343-349

詳細
抄録

モルモット気管鎖標本を用いて, コリン作動性神経-筋伝達に対する noradrenaline の作用を検討した.気管鎖を電気刺激 (1-30Hz, 0.5msec, 40パルス) すると内在性コリン作動性神経の興奮に基づく収縮反応が得られる.Noradrenaline (0.1-3μM) はこの電気刺激による収縮反応を抑制した.この抑制作用は propranolol (2μM) や prazosin (3μM) によっては何の影響も受けなかったが, phentolamine (1μM) や yohimbine (2μM) によって完全に拮抗された.外来性 acetylcholine による気管鎖の収縮反応は noradrenaline 3μM によって約50%抑制されたが, これは propranolol (2μM) によって完全に拮抗された.これらの事実から, モルモット気管筋におけるコリン作動性神経-筋伝達に対して, noradrenaline は低濃度では α_2 受容体を介して acetylcholine 遊離量を減少させ, 高濃度ではβ受容体を介して acetylcholine の収縮反応を減弱させることにより, 抑制作用を表すものと考えられる.

著者関連情報
© 1982 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top