アレルギー
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成人気管支喘息患者の運動負荷試験 : 第2編 ^<81m>Kr 換気シンチグラムからの検討
西川 和子飯倉 洋治
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1982 年 31 巻 6 号 p. 363-373

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抄録

成人気管支喘息患者の重症度および現在の状態を把握する目的で運動負荷試験を施行し, ^<81m>Kr ガスボーラス吸入法による肺換気像および肺機能変化を検討した.34名の喘息患者および6名の健康成人に施行した.EIA の頻度は59.4%であり, 34名中30名に ^<81m>Kr 換気分布の異常を認めた.^<81m>Kr 吸入分布は, maximum forced inhalation (MFI) と static inhalation (SI) の方法により, A型欠損とB型欠損に大別された.A型欠損は MFI 法での換気欠損が SI 法に比べ大きい場合であり, 中枢気道閉塞が考えられる.B型欠損は, SI 法で欠損が MFI 法より大きく, しかも高肺気量位で欠損が消失する場合であり, 末梢気道閉塞が考えられる.この多くは early airway closure に起因すると思われる.運動負荷前後の換気欠損の程度から分類したA型欠損優位例, B型欠損優位例, AB型例のFVC, FEV_1.0の%変化は, 負荷5分後ではA型欠損優位例 FVC -3.71±7.77%, FEV_1.0 -11.38±11.83%, B型欠損優位例 FVC -17.44±19.92%, FEV_1.0 -20.88±20.55%, AB型例 FVC -15.05±22.06%, FEV_1.0 -27.66±26.78% であった.負荷5分, 15分後の FVC, FEV_1.0の変化は, B型欠損優位例, AB型例ではA型欠損優位例に比し有意に低下していた (p<0.01).

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© 1982 日本アレルギー学会
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