アレルギー
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川崎病およびアレルギー性疾患における末梢血中リンパ球のADCC活性(K-Cell Population)について : 第1編 川崎病におけるK-Cell Populationと血中Immune Complexとの関連性について
鈴木 正之
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1983 年 32 巻 3 号 p. 164-172

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抄録

川崎病22例について, microplate法を用いて末梢血リンパ球のADCC活性, すなわちK-cell populationを測定し, 症状および血中IgG immune complexとの関連性について検討した.1)K-cell populationは急性期に低値を示し, 一般に発症後4週間目頃には正常範囲内に回復する傾向がみられた.また再燃時には著しい低値となり, 症状の重篤さを反映していると思われた.2)K-cell populationと血中IgG immune complexは負の相関を示した.すなわち, K-cell populationが低値のものは血中IgG immune complexが高値であった.3)急性期の血清あるいはPEG沈降物の添加により健康成人のK-cell populationは抑制されたが, 回復期の血清あるいはPEG沈降物の添加によっては抑制されなかった.すなわち, 急性期におけるK-cell populationの減少は血中immune complexの抑制作用による可能性が考えられた.

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© 1983 日本アレルギー学会
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