アレルギー
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Oscillation法による気道過敏性試験の検討 : 成人気管支喘息を中心として
田中 眞富岡 玖夫岩本 逸夫熊谷 朗斉藤 陽久吉田 象二諸橋 芳夫
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1983 年 32 巻 4 号 p. 183-192

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抄録

気管支喘息患者に対し, メサコリン吸入試験における呼吸抵抗変化を新しい連続的呼吸抵抗測定装置「アストグラフ」を用いて測定した.気管支喘息患者, 急性および慢性気管支炎患者, アレルギー性鼻炎患者, 健常者について気道過敏性試験を行い, この方法が再現性, 安全性, 簡便性の面から気道過敏性の評価に有用であることを認識した.「アストグラフ」により得られたパラメーターを解析し, 以下の結果を得た.1.初期抵抗(Rrs.cont)は, FEV_<1.0>%および%FEV_<1.0>と相関し, 気道の閉塞状態を表現していた.2.気道感受性を表現しているDminと, 気道反応性を表すStは, 疾患群の識別因子として有用であるが, 2つの因子は異なった機序で支配されていると考えられた.a)気管支喘息群では, アトピー, 非アトピーにかかわらず, 気道感受性と気道反応性はもとに他の疾患群より高かった.b)アレルギー性鼻炎群では, 気道反応性は高く, 気道感染性は低かった.c)気管支炎群では, 気道感受性は低かったが, 気道反応性は健常群に比べて高かった.

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© 1983 日本アレルギー学会
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