アレルギー
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自己赤血球ロゼット形成法と単クローン性抗体によるConcanavalin A誘導サプレッサーおよびヘルパーT細胞の解析
高田 伸介坂根 剛上田 裕司村川 洋子小谷 宏行恒松 徳五郎
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1983 年 32 巻 4 号 p. 213-220

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抄録

concanavalin A (Con A)で刺激したヒト末梢血T細胞を, OKT4およびOKT8単クローン性抗体と自己赤血球ロゼット形成法を用いて細分画し, 得られた各サブセットの免疫調節機能を検討した.その結果, 1)自己赤血球とロゼットを形成するT細胞(ARFC)は, OKT4^+, OKT8^+の表現型を問わず強いサプレッサー活性を示したが, ヘルパー活性についてはそれを欠いていた.2)OKT4^+細胞で自己赤血球とロゼットを形成しない細胞(NARFC)は強いヘルパー活性を発揮したものの, サプレッサー活性を示さなかった.3)OKT8^+ NARFCはヘルパーおよびサプレッサー活性を示さず, 免疫系の調節性回路には係りのない細胞群であることが判った.このように, 自己赤血球とのロゼット形成性が, Con A誘導サプレッサー細胞のマーカーとして妥当であることを明らかにするとともに, 従来ヘルパー・インデューサー細胞であると考えられていたOKT4^+細胞群がサプレッサー細胞を含む不均一な機能T細胞群で構成されていることを示した.

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© 1983 日本アレルギー学会
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