1983 年 32 巻 6 号 p. 310-316
喘息児において, 感染は, 発症, 増悪因子として知られているが, virus, 細菌に多く含まれているneuraminidaseのβ receptorへの影響を検討した.方法:(1)正常成人より得たリンパ球をneuraminidaseで処理し, isoproterenolに対する反応性を細胞内cAMPの変動を指標として検討した.(2)モルモット肺をmeuraminidaseで処理し, 3^H-DHAを用いて, β receptorの数, 親和性を検討した.結果:neuraminidase 1単位/mlでリンパ球を処理した場合, isoproterenolによる細胞内cAMPの増加が亢進した.その反応性の亢進は, theophyllineでは影響されず, propranololで抑制されることより, β receptorを介する作用と思われた.モルモット肺を用いた3^H-DHA bindingには, neuraminidaseは影響をおよぼさなかった.