アレルギー
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小児気管支喘息におけるアミノフィリン服用後の抗原即時型皮内反応に及ぼす効果 : テオフィリン血中濃度との関連について
渡辺 和彦
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1983 年 32 巻 9 号 p. 960-969

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抄録

152名の喘息児に aminophylline を服用させ, 即時型皮内反応に及ぼす影響をHD抗原にて検討した.4-5mg/kg 1回頓用群と20-25mg/kg/day 4日連続服用群とで, 服用前と服用後3, 6, 12時間の膨疹と発赤を比較し, 更に, theophylline 血中濃度との関連をも調べた.皮内反応の抑制の示標として, 抑制率(服用前平均径-服用後平均径)/(服用前平均径)×100%で表した.結果:頓用群は, 3時間後でも抑制を示さなかった.連続服用群は, 3時間後でのみ膨疹, 発赤とも有意な抑制(p<0.01)を示した.theophylline 血中濃度との関連では, 6μg/ml 辺りから抑制がみられ, 9μg/ml 以上では有意に抑制(p<0.001)した.その相関は, 膨疹でr=0.60, 発赤r=0.67であった.したがって, 即時型皮内反応に際し, aminophylline の服用を12時間は中止すべきである.

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© 1983 日本アレルギー学会
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