アレルギー
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小児の血清IgE値に関する研究 : 第2編 家系別にみた血清IgE値について
竹内 透
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1984 年 33 巻 3 号 p. 176-181

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抄録

アトピー性疾患を有する家系を中心に, 両親とその児からなる51家系の血清IgE値をPRISTを用いて測定し, 著者が先に報告した健康小児の血清IgE値の平均値と比較した.両親の血清IgE値とその児の血清IgE値との関連を検討し次の結果を得た.1)両親とも血清IgE値がM+2SD以上の家系では, その児の血清IgE値は88%の児においてM+SD以上を示し, 63%の児においてM+2SD以上を示した.少なくとも両親の一方がM+SD以上の家系では, 52%の児がM+SD以上を示し, また, 両親ともM+SD未満の家系においては, 35%の児がM+SD以上を示したにすぎなかった.すなわち, 両親の血清IgE値とその児の血清IgE値との間に正の相関を認めた.2)父親の血清IgE値がM+SD以上で母親がそれ未満の家系と, 逆に母親がM+SD以上で父親がそれ未満の家系とで, 各家系に属する児のうち, 血清IgE値がM+SD以上を示す児の占める割合を比較すると, それぞれ59%および52%で, 両家系の間で有意差を認めなかった.

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© 1984 日本アレルギー学会
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