アレルギー
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アレルギー性結膜炎の動物実験モデルの作製
竹内 良夫西村 葉子横室 公三木村 義民雑賀 寿和石崎 正通新井 孝司馬杉 洋三
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1985 年 34 巻 11 号 p. 1021-1027

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抄録

モルモットを用いて結膜炎モデルを作製し, これが以下の実験によってヒトのアレルギー性結膜炎と類似していることを確認した.1.IgE 抗体で感作されたモルモットに抗原液を滴下した結果, 眼結膜の腫脹, 充血, 流涙が認められ, その部位の毛細血管透過性亢進が EB の漏出によって証明された.2.眼結膜の炎症組織像は好酸球を主体とした炎症性細胞浸潤, 出血傾向およびリンパ管の拡張が認められた.対照として同一動物の saline 滴下眼, 並びに抗体非感作モルモットへの抗原滴下眼の眼結膜には上記炎症は認められなかった.3.抗原添加によって出現した炎症はDSCGおよび小青竜湯水抽出液の滴下によって著明に抑制された.以上の結果から, モルモットに作製した結膜炎はヒトのアレルギー性結膜炎と類似した機作及び組織像であることが示唆された.

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© 1985 日本アレルギー学会
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