アレルギー
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小児気管支喘息の臨床疫学 : 第II報 大島における喘息児の経過調査と家庭内環境調査
井上 和子大谷 武司荒木 盛雄丹後 俊郎倉科 周介木谷 信行乾 宏行品川 洋一飯倉 洋治
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1985 年 34 巻 12 号 p. 1063-1071

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抄録

1981年に筆者らが気管支喘息と診断した182名の喘息児の2年間の臨床経過と, その影響因子をアンケート及び現地診察を行い調査した.同時に, 喘息発症の原因検索として, 喘息児家庭の家塵中のダニの種類と数を, また, 布団敷前後の空中浮遊細菌数の変動を検索した.その結果, 2年間の臨床経過では, 悪化8.3%, 不変24.6%, 改善51.7%, 無症状15.2%であった.予後に対する影響因子では, 血清IgE値と, 家塵とダニに対するIgE抗体が高値の者, また, 現在湿疹がある者の予後が不良であった.喘息児家庭内の家塵0.5gm中のダニ数は, 平均539匹と東京のそれよりも多く, 種類はD.p.31.1%, D.f.9.5%で, ササラダニが多く検出された.喘息児寝室内の布団敷前後の空中落下細菌は, 血液寒天培地上のコロニー数で比較したところ, 布団敷後が約3倍にも増加していた.

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© 1985 日本アレルギー学会
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