1985 年 34 巻 12 号 p. 1081-1086
魚によるアレルギー性食餌性蕁麻疹の3歳女児におけるopen patch testならびに同女児の血清による諸種の反応を用いて白身魚(イサキとタラ)と赤身魚(マグロとサバ)のPBS抽出抗原の共通抗原性と抗原活性を比較検討し, 次の結果を得た.1.open patch testによるend point titration testの結果は, 白身魚のイサキとタラが, 赤身魚のマグロとサバに比べ, 1000倍の抗原活性を示した.2.P-K反応によるend point titration testの結果は, 白身魚のイサキがタラの10倍, 赤身魚のマグロの1000倍, サバの10000倍の抗原活性を示した.3.IgE-ELISAの結果は白身魚のイサキとタラがclass3, 赤身魚のマグロがclass 2, サバがclass 1を示した.4.P-K反応を応用したin vivo中和試験と白身魚のdiscを使用したin vitro IgE-ELISA inhibition testの結果は, 4種の魚抗原間に共通抗原の存在が示唆された.