1986 年 35 巻 10 号 p. 1056-1063
わが国の原発性免疫不全症候群症例全国調査登録に昭和60年9月5日までに選択的IgA欠損症として登録された15歳以下の小児の症例のうち, 明らかに本症の定義に一致しないものを除く45例について, 主として臨床的所見を調査資料に基づいてまとめて示し, 診断上の問題点について述べた.ことに3歳以下で診断されたものが14例(31.1%)あり, 問題が多いと考えられた.全45例中易感染性を記載されたもの22例(48.9%), てんかんの合併9例(20%), 自己免疫疾患の合併5例(11.1%), アレルギー疾患の合併11例(24.4%), 悪性腫瘍1例(2.2%)などが報告された.