アレルギー
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気管支喘息における干渉低周波(ILF)療法
周東 寛中神 和清鈴木 一野口 英世
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1986 年 35 巻 12 号 p. 1170-1180

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抄録

気管支喘息患者に理学療法としてのILF療法を行い, 次の結果を得た.1.46名に延べ149回のILF療法を行い, FEV_<1.0>, PFR及びR-rに有意な改善を認めた.発作強度別で小発作群, 重症度別で中等症群, および治療前の一秒率で50%≦FEV_<1.0><60%の群においてもっとも有効であった.2.ILF療法により48回(32.3%)の去痰効果, 147回(98.7%)の自覚症状の改善および33回(63.5%)の胸部ラ音の改善を認めた.3.ILF療法で心電図, 血圧, 脈拍数に変動を認めなかった.4.21名の脳波検査ではILFによる刺激は中枢に対して, 鎮静効果があることを推測した.5.40名におけるcyclic nucleotidesの変動についてはcyclic AMPおよびcyclic AMP/cyclic GMPの有意な上昇を認めた.6.5日間連日ILF療法群は9名において, FEV_<1.0>%およびR-rが有意な改善を認めた.以上より気管支喘息患者に対してILF療法は臨床的に有効であり, 副作用がない補助療法として利用する価値があると思われる.

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© 1986 日本アレルギー学会
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