アレルギー
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びまん性汎細気管支炎患者におけるNatural Killer細胞活性に関する研究
吉村 邦彦蝶名林 直彦中谷 龍王中森 祥隆中田 紘一郎谷本 普一
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1986 年 35 巻 4 号 p. 275-281

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抄録

びまん性汎細気管支炎(DPB)患者の末梢血リンパ球のNK活性を測定し, 本症におけるNK細胞の意義を検討した.^<51>Cr遊離法にて測定したDPB34例のNK細胞活性には, エフェクター/標的細胞(E/T)比が50, 25および12.5のいずれの場合も, 本症の気道・中間領域感染症の起炎菌ないしコルチコステロイド投与の有無になる差はなく, かつ健常者との間の有意差も認められなかった.E/T比50におけるNK活性はDPB50.2±20.6%, 健常者58.5±12.0%であった.また, DPBおよび健常者のNK細胞活性は年齢, 末梢血リンパ球数, 同OKT4^+およびOKT8^+の各分画比率, OKT4/OKT8比のいずれとも有意の相関を示さず, DPB患者のツベルクリン陽性群と陰性群との間にも有意差を認めなかった.以上DPBにおいてはNK細胞の殺細胞活性は正常であり, 本症が免疫不全状態を呈する疾患ではないことの1つの証左であると考えられる.

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© 1986 日本アレルギー学会
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