目的:アレルギー性結膜炎患者の環境と背景を調査し, アレルギー性結膜炎増加の要因を検討した.方法:獨協医科大学病院にてアレルギー性結膜炎と診断された332名を対象とし, ハガキによるアンケート調査を行った..調査項目は住宅環境・症状発現時期・家族歴・他のアレルギー疾患の既往歴・母乳哺育期間である.結果:アレルギー性結膜炎患者の母乳哺育期間は, 昭和25年以前に生まれた群では約80%が哺乳期間10カ月以上であった.昭和45年以降に生まれた群では約41%が母乳期間0カ月-人工栄養で, 厚生省の行った乳幼児身体発育調査結果をかなり上まわっていた.住宅環境では, アレルギー性結膜炎の家族歴を有せず, 母乳で育った群は主要道路の近くに多く住んでいることが判明した(p<0.01).結論:アレルギー性結膜炎患者の環境, 背景を調査し, 家族歴の有無・母乳哺育期間・道路までの距離が, アレルギー性結膜炎発症の要因の一つである可能性が示された.