アレルギー
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アトロベント^[○!R]の気道過敏性と肺Muscarinic Acetylcholine Receptorにおよぼす影響について
鈴木 隆二郎野坂 博行塚脇 雅夫高木 健三佐竹 辰夫
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1986 年 35 巻 5 号 p. 349-355

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抄録

アトロベント^[○!R]がモルモットの気道過敏性と肺muscarinic acetylcholine receptor (mAchR)におよぼす影響について検討した.この実験では, アセチルコリン吸入テストで経皮酸素分圧を指標として気道過敏性を測定した.さらに, ムスカリン拮抗剤である^3H-quinuclidinyl benzilateを使用し, 直接肺のmAchRの測定を実施し, 以下の成績を得た.1)アトロベント^[○!R] 0.1mg/kg, 10日間の投与は, 気道過敏性にも肺mAchRにも影響を与えなかった.2)アトロベント^[○!R] 1.0mg/kg, 10日間および5週間の投与は気道過敏性を有意(p<0.01)に低下させるとともに, 肺mAchR数の減少(p<0.01)をもたらした.これらの成績より, アトロベント^[○!R]投与による気道過敏性低下は, 肺mAchR数の減少と密接な間連を有するものと示唆された.

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© 1986 日本アレルギー学会
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