アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
ユスリカ喘息に関する研究 第II報 : ユスリカ種別間の交叉抗原性について
村上 巧啓五十嵐 隆夫佐伯 陽子足立 雄一松野 正知岡田 敏夫河合 幸一郎熊谷 朗佐々 学
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 36 巻 2 号 p. 81-85

詳細
抄録

ユスリカは多数の種類があり, 世界的に広く分布し, 近年気管支喘息の原因抗原の1つとして重要なものと考えられている.本邦に生息する代表種としてオオユスリカ(C.p), ミヤコムモンユスリカ(P.k), セスジユスリカ(C.y), アカムシユスリカ(T.a)がある.今回我々はこれら4種のユスリカの交叉抗原性について検討を行った.プリックテスト, RASTにおいてP.k, C.y, T.aのいずれかに陽性を示した患者のうち, おのおの84.4, 93.3%がC.pにも陽性を示した.ユスリカ喘息患者プール血清にP.k, C.y, T.aを添加するとC.p RASTは最高86.3, 83.4, 81.8%抑制され, P.k, C.y, T.aのRASTはC.p添加で52.8, 85.4, 80.9%抑制されたことからC.p, P.k, C.y, T.aに共通抗原性が確認された.オオユスリカ(C.p)は世界共通種であり感作率も高く, ユスリカ喘息の指標抗原として有用と思われた.

著者関連情報
© 1987 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top