アレルギー
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喘息児と水泳 : 第4編 Phytohemagglutinin及び抗原刺激による単核球からのNeutrophil Chemotactic Activity遊離の有無の検討
恩田 威文永倉 俊和飯倉 洋治
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1987 年 36 巻 6 号 p. 299-305

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抄録

我々はすでに運動誘発性喘息(EIA)の際にみられる末梢血中のhigh molecular weight neutrophil chemotactic activity (HMW-NCA)の上昇が, ほぼ同程度の運動量の水泳では認められないことを報告した.また, このHMW-NCAに関しては抗原吸入およびEIAの際のlate reactionで二相性に上昇することから, マスト細胞のみならず, それ以外の細胞にも, その起源があることが示唆された.そこで今回は単核球からのNCAの遊離について検討を行った.ダニ抗原陽性の喘息患者と正常人のヘパリン加静脈血の単核球をリンパ球, 単球に分離した.それぞれの細胞にphytohemagglutinin (PHA)およびダニ抗原を添加し, 培養上清中のNCA活性をボイデン法により測定し, 分子量をゲル濾過で決定した.NCAはPHAでは培養時間48時間でピークに達し, 抗原刺激では濃度依存性であり, 50μg/mlでピークに達した.NCAの分子量はいずれも30000daltons以下のいわゆる低分子量域に認められたが, 従来からいわれている600000daltomsのHMW-NCAは認められなかった.

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© 1987 日本アレルギー学会
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