アレルギー
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特異抗原で誘導されるリンパ球のインターロイキン-2反応性に及ぼすトラニラストの影響についての検討
川野 豊野間 剛〓沢 いづみ馬場 実矢田 純一
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1988 年 37 巻 1 号 p. 47-52

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抄録

トラニラストのinterleukin 2 (IL2)反応性誘導に与える効果を検討した.1)トラニラストは, 気管支喘息患児末梢血単核球におけるダニ抗原特異的IL2反応性誘導及び, 卵白アルブミンで感作されたアトピー性皮膚炎患児末梢血単核球における卵白アルブミン特異的IL2反応性誘導を抑制した.2)その抑制効果は抗原呈示付着細胞及び非付着細胞の両者に対して認めらた.3)アレルギー患者においてconcanavalin A (Con A)で誘導したIL2反応性獲得に対しては, トラニラストの抑制効果は認められなかった.4)健康者末梢血単核球においてpurified protein derivative(PPD)で誘導されたIL2反応性獲得に対してもトラニラストの抑制能は認められた.5)トラニラストは, ひとつには抗原特異的IL2反応性誘導を抑制し, 軽度の免疫抑制能を示すと考えられた.

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© 1988 日本アレルギー学会
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