アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
モルモット気道アレルギーにおける遅発型反応の出現とその発症因子に関する基礎的研究 : I.同種抗体受身感作モデル及び抗原反復吸入能動感作モデルの比較検討
寺師 義典湯川 龍雄福田 健牧野 荘平
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 37 巻 10 号 p. 980-991

詳細
抄録

同種抗OA血清による受身感作モルモット及びOA反復吸入暴露による能動感作モルモットを用いて, 抗原暴露後のLARの出現有無についてMeadらのoscillation法を用いた呼吸抵抗測定を経時的に行い検討した.受身感作モルモット抗原単回暴露では, 即時型反応は認められたが, 使用した血清中のhomocytotropic antibodyの種類に関係なく遅発相での再発作を認めるものは1例も存在しなかった.OAを反復吸入暴露した能動感作モルモットでは, 感作の成立後, 更に一定のintervalをおいて抗原吸入暴露をくり返すことにより, 呼吸抵抗上二相性反応が観察された.特に二相性反応を示したモルモットでは, 遅発相において好酸球の著しい浸潤を加えて, 好中球の著しい浸潤も認められ, また, 一部, 気道炎症性器質的変化も観察されたことより, 抗原反復暴露の影響が示唆された.LARの出現に, くり返されるアレルギー反応による気道炎症の関与が重要と考えられ, その機序を究明する気道アレルギー実験として有用であると考えた.

著者関連情報
© 1988 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top