1988 年 37 巻 10 号 p. 980-991
同種抗OA血清による受身感作モルモット及びOA反復吸入暴露による能動感作モルモットを用いて, 抗原暴露後のLARの出現有無についてMeadらのoscillation法を用いた呼吸抵抗測定を経時的に行い検討した.受身感作モルモット抗原単回暴露では, 即時型反応は認められたが, 使用した血清中のhomocytotropic antibodyの種類に関係なく遅発相での再発作を認めるものは1例も存在しなかった.OAを反復吸入暴露した能動感作モルモットでは, 感作の成立後, 更に一定のintervalをおいて抗原吸入暴露をくり返すことにより, 呼吸抵抗上二相性反応が観察された.特に二相性反応を示したモルモットでは, 遅発相において好酸球の著しい浸潤を加えて, 好中球の著しい浸潤も認められ, また, 一部, 気道炎症性器質的変化も観察されたことより, 抗原反復暴露の影響が示唆された.LARの出現に, くり返されるアレルギー反応による気道炎症の関与が重要と考えられ, その機序を究明する気道アレルギー実験として有用であると考えた.