1988 年 37 巻 10 号 p. 1007-1015
喘息発作後の気道の反応性を検討するため38名の喘息児を喘息発作後2週, 4週, そして1年以上発作のない3群にわけ, それぞれに対して運動負荷試験を行い運動負荷後の^<81m>Kr換気シンチグラムおよび肺機能を検査した.^<81m>Krシンチグラフィーはボーラス吸入法を用い肺気量位および吸入速度を変化させることにより, 換気欠損は中枢気道閉塞を表すType Aと早期気道閉鎖のType Bに大別された.Type Aの運動負荷後の変化をスコア化し, 喘息発作後2週, 4週, 1年以上発作のない群で比較すると, 運動負荷2週後の変化は1年以上発作のない群に比し有意に大きかった.喘息発作後4週後の変化は1年以上発作のない群に比し, 運動負荷後5分では有意差が認められたが, 15分, 30分後では有意差はなく, 喘息発作後4週のグループでは運動負荷後の回復が早い傾向であった.この変化はFEV_<1.0>の%変化率と同じであり, 喘息発作後2週までは中枢気道の反応は亢進していると推察されたType Bは, 運動負荷前に1年以上発作がないグループにおいても14名中10名存在した.