アレルギー
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選択性α_2受容体拮抗薬(Midaglizole)の気管支喘息に対する改善効果 : モルモットを用いた基礎的検討
吉江 康正飯塚 邦彦相原 俊三森 幹雄中沢 次夫
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1988 年 37 巻 11 号 p. 1077-1083

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抄録

気管筋におけるα_2受容体の役割を明らかにしmidaglizole(2-[2-(4, 5-dihydro-1H-imidazol-2-yl)-1-phenylethyl]pyridine dihydrochloride sesquihydrate, DG-5128)の気管支喘息に対する改善効果の機序を解明するために, モルモット実験喘息および摘出気管筋に対するmidaglizoleの効果を検討した.in vivoの抗原誘発気道収縮の系でも, in vitroの摘出気管筋の系でも, midaglizoleは気管筋弛緩効果を示した.さらに, これらの弛緩効果はisoprorerenol存在下では著明に増強され, midaglizoleとisoprorerenolとは明らかな相乗効果を示した.しかもこのmidaglizoleの効果は高濃度isoproterenol誘発耐性の気管筋でも認められ, midaglizoleの難治性喘息患者の症状改善と肺機能改善を認めた臨床成績とも一致し, 臨床で認められた改善効果が実験的にも確認された.α_2受容体は気管の弛緩反応に作用し, とくにβ受容体の作用発現時にα_2受容体は重要な働きを担っていることが示唆される.

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© 1988 日本アレルギー学会
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