アレルギー
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気管支喘息における血中Theophylline濃度測定に関する臨床的検討
野口 昌幸吉村 邦彦中谷 龍王蝶名林 直彦中森 祥隆中田 紘一郎村川 和枝谷本 普一
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1988 年 37 巻 11 号 p. 1084-1093

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抄録

気管支喘息患者36例, 計54回の重積発作治療中におけるtheophylline血中濃度を測定し, theophylline系薬剤の有効かつ安全な使用方法について検討した.約30分間のinitialloadingtherapyにおける分布容量は0.532±0.142L/kgであった.Continuousinfusiontherapyにおけるsteadystateでのtheophyllineclearanceは0.0373±0.0175L/kg/hrであり, 年齢との負の有意な相関を認めた.副作用の出現には個体差が大きいが, 血中濃度の上昇とともに循環器系, 中枢神経系を含めた副作用の出現頻度が多くなる傾向があった.気管支喘息におけるtheophylline静脈内注入療法では代謝, 体内分布に影響する病態, 薬剤併用のない場合, aminophyllineとしてinitialloadingtherapyとして7.5mg/kg/30min, continuousmaintenancedoseとして(125-age)×10^<-2>mg/kg/hrにより有効血中濃度のほぼ中央の値である14-15μg/mlの血中濃度が期待できる.しかし, 実際臨床ではtheophylline血中濃度には様々な病態や薬剤が影響を与えるので個々の症例に対して詳細な検討が必要である.

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© 1988 日本アレルギー学会
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