アレルギー
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全身性エリテマトーデス患者における樹状細胞機能(クラスター形成)の異常について
今井 史彦鈴木 輝彦石橋 俊子片桐 敏郎原 清
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1988 年 37 巻 11 号 p. 1111-1117

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抄録

全身性エリテマトーデス(SLE)患者末梢血より樹状細胞(DC)分画をとりだし, 自己のT細胞と混合培養することにより生ずるクラスター形成について検討した.SLE患者DCは確かにクラスター形成能を有していた.しかしながらクラスターの増殖反応を^3H-サイミジンの取り込みで評価すると, 正常人DCで作製したクラスターに比して低値を示した(p<0.01).クラスターを単離して二次培養をおこなっても同様であった.このクラスター培養上清中にはSAC刺激B細胞を抗体産生細胞へと分化させる因子が含まれていたが, SLE患者クラスター培養上清では正常人のそれに比して低値であった(p<0.001).SLE患者DCは正常人DCと異なりIL-1前処理によるクラスターの増殖反応の増強が認められなかった.以上の結果, SLE患者DCとT細胞のinteractionにおいてクラスターレベルのなんらかの異常が存在することが示唆された.

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© 1988 日本アレルギー学会
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