アレルギー
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スギ花粉症に対するインタール(Disodium Cromoglycate)点眼液の眼誘発反応抑制効果について
佐久間 靖子三田 晴久
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1988 年 37 巻 12 号 p. 1178-1182

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抄録

スギ花粉症患者11例に, 季節外に, 抗原による眼誘発試験を行い, 2%disodium cromoglycate(DSCG)点眼液の涙液中のヒスタミンの遊離抑制効果を検討した.左眼にはplacebo点眼液, 右眼にDSCG点眼液を点眼し, 5分後に, 20倍のスギ抗原液を点眼した.採取した涙液中のヒスタミン量はradioimmunoassayにより測定した.Placebo投与眼の0-5分, 5-10分間の涙液中ヒスタミン量は, 4.3±4.0ng/mlおよび3.6±3.7ng/mlであり, DSCG投与眼では, それぞれ1.5±2.7ng/mlおよび1.7±2.6ng/mlで, DSCG投与眼では有意なヒスタミン遊離抑制効果がみられた(5分後:p<0.01, 10分後:p<0.01).DSCG点眼液のヒスタミン遊離抑制率は, 誘発5分後では73.8%, 誘発10分後では67.5%で, 優れたヒスタミン遊離抑制効果が認められ, 2%DSCG点眼液はスギ花粉症の予防的治療に有効な薬剤であると考えられる.

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© 1988 日本アレルギー学会
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