アレルギー
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全血を用いた新しいテオフィリン測定キット(AccuLevel)の検討
大田 健小和田 暁子工藤 宏一郎可部 順三郎山下 直美宮本 昭正
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1988 年 37 巻 3 号 p. 179-184

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抄録

米国Syntex社で開発されたenzyme immunochromatographyによるAccuLevel(AL)という新しいテオフィリン測定法について検討を加えた.ALの特異性は, カフェインと1, 3-ジメチル尿酸のそれぞれ10, 20, 100, 1000μg/ml液を用いて検討したが, 前者の1000μg/mlを除き測定下限以下であった.テオフィリン服用中の患者15名延べ31名についてヘパリン加採血し, 直ちにALで測定すると同時に血漿分離し, 蛍光偏光免疫測定法(TDX)でも測定して両者の値を比較したところ, r=O.952, p<0.01で有意に相関した.また5名について指先, 耳朶, 静脈という3つの部位で採血し測定値を比較したが, p<O.01で有意に相関した.再現性を血液(13.79μg/ml)と標準液(10μg/ml)とでそれぞれ10回ずつ測定して検討したところ, 変動係数はそれぞれ6.8%と3.9%であった.以上よりALは, 特異性, 感度, 再現性の点で信頼でき, 特別な装置を必要とせず, 全血12μlで簡便に測れる極めて有用なテオフィリン測定法であることが明らかとなった.

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© 1988 日本アレルギー学会
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