アレルギー
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0歳アレルギー患児におけるIgE RIST・好酸球数基準値の検討 : 多変量解析数量化II類法による
加藤 済仁
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1990 年 39 巻 10 号 p. 1398-1415

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抄録

0歳アレルギー患児94名について, IgE RIST基準値を10IU/ml, 20IU/ml, 60IU/mlの3値と仮定し, 各基準値以下, 及び以上の2群に分別した集団を設定した.次に, 多変量解析数量化II類法を用い, アレルギー諸因子12項目(性別, 喘息・アトピー性皮膚炎の有無, アレルギー家族歴, 好酸球数値, 卵白・牛乳・大豆RAST値)について, 各3群別の分別に際する影響力を数量化し, その基準値が適当であるかを検討した.各3群に共通して強い影響を与えた因子は卵白及びD.f. RAST値の2因子であった.一方10IU/ml分別群に強い影響を与えた因子は好酸球数値とアレルギー家族歴であり, また, 60IU/ml分別群では大豆RAST値の影響力が著明であり各3群間に差異が認められた.しかし, 同様に好酸球数値について, 100/mm^3, 200/mm^3, 400/mm^3の基準値を仮に設定して検討すると, 各3群に共通して, アレルギー家族歴, 卵白・大豆RAST値などが分別に際し強い影響を与えていた.しかし3群間の差は, ほとんど認められなかった.

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© 1990 日本アレルギー学会
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