アレルギー
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食餌依存性運動誘発アナフィラキシー(Food-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis)の1例 : 本邦報告24症例との比較を含めて
渡辺 尚坂本 裕二友永 淑美犬山 正仁笹山 初代原 耕平今村 由起夫浅井 貞宏
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1990 年 39 巻 11 号 p. 1523-1528

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抄録

エビを原因とする食餌依存性運動誘発アナフィラキシーの1例を経験した.症例は15歳の男性で, 昼食にエビフライを食べ, 4時間後にランニングをしたところ2000mの地点で全身の掻痒感を伴う発赤疹と呼吸困難が出現した.病歴上, 過去にもエビ摂取後の運動で同様のエピソードを経験していた.検査ではエビに対する特異IgE抗体が証明され, さらにエビ摂取後の運動負荷試験で血中ヒスタミンの上昇も認められ, 本症と診断した.本邦には本症例を含め25症例の報告があるが, 13症例は小麦製品, 10例がエビを原因としていた.また14例は過去にも運動後, 蕁麻疹やアナフィラキシー様症状を経験していた.現在運動中の突然死が問題となっているが, 本症もその原因の一つと考えられ, 医療従事者のみならず, スポーツの指導や教育に携わる人も本性の正しい認識を持つ必要がある.

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© 1990 日本アレルギー学会
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