アレルギー
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気管支喘息の臨床分類とその気道細胞反応の特徴
谷崎 勝朗周藤 真康貴谷 光河内 和久御船 尚志竹山 博泰厚井 文一多田 慎也高橋 清木村 郁郎
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1990 年 39 巻 2-1 号 p. 75-81

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抄録

気管支喘息104例を対象に, 気管支肺胞洗浄法により, 末梢肺領域の細胞成分を採取し, 各臨床病型におけるその特徴を比較検討した.1.BALF中好中球は, Ia, 気管支〓縮型にくらべ, Ib, 気管支〓縮+過分泌型およびII.細気管支閉塞型で有意の増加傾向を示した.2.Ib型のアトピー型では, 非アトピー型に比べBALF中好中球の有意の増加がみられた.3.BALF中, 中ないし高度の好酸球増多を示す症例は, アトピー型, 非アトピー型を問わず, Ib型においてより多く観察された.4.BALF中, 中ないし高度の好中球増多を示す症例は, Ib型のアトピー型, II型のアトピー型, 非アトピー型において, より多く観察された.5.BALF中, 中ないし高度の好酸球および好中球増多を示す症例は, Ib型のアトピー型で, より多く観察された.以上の結果より, 過分泌を示す病態には, アトピー型では好酸球と好中球, 非アトピー型では好酸球が, また細気管支閉塞の病態には好中球が関与している可能性が示唆された.

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© 1990 日本アレルギー学会
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