1991 年 40 巻 10 号 p. 1265-1271
中等度以上の急性喘息発作にて入院した患者の肺における好酸球活性化を, 喀痰を用い, 電顕を用いた喀痰内好酸球の超徴形態的変化および好酸球顆粒蛋白の一つであるeosinophil cationic protein (ECP)の濃度より検討した. 急性喘息発作にて入院した気管支喘息患者6例において入院当日より毎朝原則的に7日間喀痰を採取した. 喀痰中ECP濃度と好酸球特異穎粒の電子密度の変化は発作重症度スコアーと一致して動き, 入院当日に高く徐々に低下した. 喀痕中ECP濃度と好酸球特異顆粒の電子密度変化との間には有意の相関が認められた. これらの結果から, 好酸球活性化は, 発作入院時に著明に亢進しており, 冶療にともないしだいに低下を示すことが確認された.