1991 年 40 巻 12 号 p. 1511-1520
抗アレルギー薬アゼラスチン(Az), ケトチフェン(Ke), オキサトミド(Ox)およびトラニラスト(Tr)などによる, PMA刺激好中球NADPH酸化酵素の活性(全細胞系)と膜酵素画分を可溶化し, 細胞質可溶性画分とともに再構成した無細胞系での本酵素活性に対する作用を検討した. これらの薬物は全細胞系および無細胞系で本酵素活性を濃度依存性に抑制し, その50%阻害濃度(IC_<50>)は, それぞれAz0.7μM, Ke 60μM, Ox 25μM, およびAz 0.5μM, Ke 6.8μM, Ox 9.7μMであった. Trおよびヒドロコルチゾン(HC)の全細胞系, 無細胞系におけるIC_<50>は, それぞれTr1.5mM以上, HC5.1mM,およびTr0.9mM, HC60μMであった. Az, Ke, Oxなどの抗ヒスタミン作用を有する抗アレルギー薬は, HCよりも好中球NADPH酸化酵素に対するIC_<50>値が低く, 非常に強い抗炎症作用を有していることが示唆された.