アレルギー
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小児アレルギー疾患の遺伝的背景に関する研究 : 第I編 HLA による双生児例の検討
赤澤 晃小屋 二六飯倉 洋治
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1991 年 40 巻 4 号 p. 428-434

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抄録

小児アレルギー疾患発症の遺伝要因を調べるため双生児法により22家系の家系分析を行なった. 卵性診断は Essen-Moller の式により, 赤血球血液型8種類と HLA について一致した場合の一卵性双生児である確率を計算し一卵性双生児 (MZ) 8組と二卵性双生児 (DZ) 14組を対象とした. その結果アレルギー疾患全体の一致率は MZ が88%, DZ が86%,喘息はそれぞれ75%, 73%, DF 特異 IgE 抗体陽性率はそれぞれ60%, 58%の一致率であったが, HLA haplotype の全く一致していない DZ では0%であった. 血清総 IgE 抗体の双生児内の相関係数は MZ が0.593, DZ が0.063であり, MZ では高い相関を示した. 以上の結果から抗体産生には遺伝要因の強い関与が無視できないといえた.

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© 1991 日本アレルギー学会
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