アレルギー
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群馬県営林署職員の蜂刺症の実態および遷延性局所反応に関する検討
清水 俊男森川 昭廣黒梅 恭芳
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1991 年 40 巻 6 号 p. 605-610

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抄録

営林署職員の蜂刺症に関する全国調査をもとに, 群馬県内の営林署職員の蜂刺症の実態について報告するとともに, 遷延性局所反応を示した者の一部に対して, 引き続き行われた蜂毒特異IgE抗体の測定結果についても検討を加えた. その結果, 1) 職員715名のうち660名(92.3%)が蜂刺の既往を有し, そのうち241名(36.5%)は遷延性の局所反応を, 156名(23.6%)はなんらかの全身症状を経験していた. 2) 蜂過敏症者のうち全身症状を示すまでの蜂刺回数は10回以下の者が68.9%を占めたが, その中には初回蜂刺時に全身症状を示した者も18.2%含まれていた. 3) 蜂過敏症者が全身症状を示した際に刺された箇所は1箇所のみの者がほぼ60%を占めていた. 4) 遷延性の局所反応を示した者の一部に対して蜂毒特異IgE抗体を測定したところ, スズメバチ蜂毒特異IgE抗体陽性者が39.3%, アシナガバチ蜂毒特異IgE抗体陽性者が36.9%存在した.

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© 1991 日本アレルギー学会
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