アレルギー
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Mite-Free Room (ダニ除去室) のアトピー性皮膚炎に及ぼす影響
福田 英三今山 修平岡田 恵司
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1991 年 40 巻 6 号 p. 626-632

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抄録

ダニ抗原の関与が考えられるアトピー性皮膚炎(AD)患者を, 入院させず, 仕事, 学校などの社会活動を維持しながら, 1日のある時間, 主として夜間から就寝時, ダニを極力除去した部屋(mite-free room, 以下MFRと略)を使用することにより, そのADに及ぼす影響を検討した. 対象はADの患者の中から, 臨床的に中等症以上, 難冶性, しかもダニに対するIgE抗体価の高い症例を選んだ. 全般改善度はMFR使用前後の〓痒および皮疹の改善度を総合的に判断し, 13例中11例に有効性が得られた. MFRの平均使用期間は2週間, 1日の平均使用時間は11時間であった. MFRのダニ数は, MFR使用終了ごとに, ガソリン法で測定した. MFRのダニ数は畳については0.34〜3.00匹/m^2と極めて少なく維持されていた. 以上の結果はADにおけるダニ抗原の重要性およびその除去による冶療効果を臨床的見地から示唆するものと考える.

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© 1991 日本アレルギー学会
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