1991 年 40 巻 7 号 p. 660-668
アレルゲンによるbronchial provocation test (BPT)にてdual asthmatic response (DAR)を呈する8症例に, 肺局所抗原滴下法local allergen challenge (LAC)を施行し, control, immediate response (IR)およびlate response (LR)における気管支肺胞洗浄液bronchoalveolar lavage nuid (BALF)を用いてchemical mediators(CM), cell population(CP)の変化について検討した. controlの検討には左舌区を用い, IRの検討はcontrolと同日に右中葉にてBALを行い, また原則的にLRの検討にはcontrol, IRより4週間後に右中葉を用いてBALを施行した. BALは37℃生食50ml使用して連続3回行い, その後BALF上清中のhistamineとleukotriene (LT) B_4, C_4を測定し, またBALF沈渣中のCPの算定をした. control-BALFに比べIR-BALFでは, LTC_4, 好酸球の増加傾向とhistamineの有意な増加(p<0.05)が認められ, またLR-BALFでは好酸球の著明な増加(p<0.01), histamine, LTC_4の有意な上昇(p<0.05)とLTB_4の増加傾向が認められた. このことよりLR発現には肺局所における好酸球および種々のCMの増加が重要な役割を担っていることが推察された.