過敏性肺臓炎においては病理組織学的検討あるいは気管支肺胞洗浄法による成績から, 肺局所に著明なリンパ球浸潤を認め, 本症診断の上で有用とされている. 一方, 本症においてBAL液中に好中球増多を認める症例がある. 抗原暴露に対応する肺局所細胞反応の動態を検討する目的で, 発症から入院までの抗原暴露期間と, 入院後抗原からの隔離期間の各々を区別して, BAL施行時期との関連で, BAL液中リンパ球, 好中球の解析を行い, さらに肺機能との関連についても検討した. 過敏性肺臓炎では抗原暴露早期のBAL液中にリンパ球と共に好中球の増加が認められ, BAL施行時期とBAL液中細胞成分の検討から, 好中球は急性期にのみ出現増加し, 遅延する抗原暴露に対応してリンパ球が増加する. 肺機能との関連では, リンパ球増多は胞隔部分の病態と関連し, 好中球増多は急性期の気道部分の病態を反映すると思われた.