アレルギー
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気管支喘息発作準備段階における血清中Eosinophil Cationic Protein濃度, Major Basic Protein濃度の検討
三好 麻里桜井 隆児玉 荘一
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1992 年 41 巻 12 号 p. 1672-1678

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抄録

好酸球の顆粒内蛋白であるECP, MBPの血清中濃度を気管支喘息発作準備段階と考えられる状態で検討した. 対象は当院に長期入院中の慢性気管支喘息の患者5名で, 計33回の外泊負荷直前に採血した. 血清ECP値は外泊中発作のあった群の外泊直前の測定値が外泊中発作のなかった群より有意に高値であった. また, 帰宅後発作開始までの時間が短いほど高値を示す傾向であった. 血清MBP値, 末梢血中好酸球数は両群間に有意差は認めなかった. 血清ECP値と血清MBP値の相関関係はなかった. 以上より, 血清ECP値は慢性的な気管支喘息患者の発作準備段階の指標となるものと思われた.

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© 1992 日本アレルギー学会
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