アレルギー
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アトピー性皮膚炎乳児における^<13>C-メタセチンを用いた呼気検査法による肝機能の検討
岩崎 郁美山下 義文椿 俊和松田 秀一杉原 雄三秋本 憲一赤澤 晃小幡 俊彦飯倉 洋治
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1992 年 41 巻 6 号 p. 645-653

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抄録

湿疹を主訴として国立小児病院アレルギー科を受診した2歳未満の乳児214名 (男133, 女81) の血清GOTを初診時に測定し, 当院の正常値と比較検討した. その結果, アトピー性皮膚炎乳児の血清GOT値は, 正常値と比較して有意に高く, 低年齢児ほどその傾向が強かった. また血清GOT高値群 (11名) と正常群 (5名) に対して, 安定同位体^<13>Cをラベルした^<13>C-メタセチンを用いて呼気検査〔MBT : ^<13>C-methacetin breath test〕を行い, アトピー性皮膚炎乳児におけるメタセチンの肝代謝を検討した. MBTでは, ^<13>C-メタセチン (0.5mg/kg) を経口負荷し, 負荷前30分, 直前, 負荷後15, 30, 45, 60, 105, 150分に呼気中に排泄される^<13>CO_2の存在率を質量分析法で測定した. その結果コントロールに比してアトピー性皮膚炎乳児においては, ^<13>CO_2のピーク排泄率は有意に低く, そのピーク時間も遅延していた. また^<13>CO_2消失速度の低下も認められた. これは乳児におけるアトピー性皮膚炎と肝機能異常との関連を示唆する結果であった.

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© 1992 日本アレルギー学会
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