1992 年 41 巻 6 号 p. 699-703
I型アレルギーの遅発反応の好酸球浸潤におけるCD4陽性T細胞およびCD8陽性T細胞の役割を明らかにするため, マウス皮膚における抗原誘発好酸球浸潤に対するCD4陽性T細胞あるいはCD8陽性T細胞のin vivoでの除去効果を検討した. 卵白アルブミン (OA) 皮下投与によるOA感作BALB/cマウス皮膚の好酸球浸潤は2相性で, 第1相はOA皮下投与6時間後にピークを示し, 第2相は24〜48時間後にピークを示した. 抗L3T4モノクローナル抗体によるCD4陽性T細胞の除去は第2相 (24および48時間後) の好酸球浸潤を減少させたが, 第1相 (6時間後) の好酸球浸潤は減少させなかった. しかし, Lyt-2モノクロナール抗体によるCD8陽性T細胞の除去は第1相および第2相の好酸球浸潤に対し有意の効果を与えなかった. これらの結果から, 皮膚I型アレルギーの遅発反応における好酸球浸潤の惹起にはCD4陽性T細胞が関与していることが示された.