アレルギー
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MASTシステムによる沖縄県地方のアレルギー疾患におけるアレルゲン感作状態の検討
小杉 忠誠齋藤 滋玉城 昇下地 克佳嘉数 朝一齊藤 厚伊集 操縣 裕篤
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1992 年 41 巻 7 号 p. 766-771

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抄録

沖縄県地方のアレルギー性疾患 (気管支喘息, アレルギー性鼻炎, アトピー性皮膚炎, 合計127例) のアレルゲン感作状態を知る目的で, MAST法によるアレルゲン特異的IgE抗体の測定を行った. アレルゲン別陽性率は, 吸入性ではコナヒョウヒダニ (65%), ハウスダスト (58%), ネコ (17%), スギ (9%) の順に高値を示した. 食餌性ではコムギ (16%), エビ (14%), 卵白 (12%), コメ (12%), カニ (12%) の順に高値を示した. アレルギー性疾患別では, アレルギー性気道性疾患と比較して, アトピー性皮膚炎を有する症例において, 平均陽性アレルゲン数が多かった. 1症例の平均陽性アレルゲンは2.0項目で, 5項目以上のアレルゲンに陽性を示した症例は12例 (9%) であった. これらの結果を文献的に検討した結果, 本土の他の地域と比較して, 沖縄県地方では重複アレルゲン数は本土の他地域に比して少ないことが明らかとなった.

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© 1992 日本アレルギー学会
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