アレルギー
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気管支喘息患者におけるAA-2414錠の血小板凝集抑制作用と臨床効果に関する検討
波田 重英橋爪 誠西井 聡吉岡 二三安永 幸二郎
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1993 年 42 巻 1 号 p. 18-25

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抄録

我々はすでに, エイコサノイド受容体拮抗薬AA-2414が, 気管支喘息患者のTXA_2/PGH_2受容体を介する血小板凝集を抑制すること, しかもその抑制作用には個体差がみられることを報告した。今回は喘息患者22名について, あらかじめin vitroでU-46619を凝集惹起剤としてAA-2414による血小板凝集抑制率を測定し, 抑制率60%以上のA群と60%未満のB群に層別した後に, 両群にAA-2414錠 (40mg/日) を6週間経口投与し, 臨床効果との関連性について検討を加えた。invitroのU-46619血小板凝集率と, AA-2414による凝集抑制率の間には正の相関関係がみられた。投与終了時には, 全例でU-46619血小板凝集の強い抑制がみられたが, A群ではB群に比べて臨床症状の改善率が有意に高かった。喘息患者の血小板はU-46619に対する高反応群と低反応群に大別され, 各々が気道局所でのTXA_2に対する反応性を反映している可能性が示唆された。

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© 1993 日本アレルギー学会
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