DNP-Ascaris抗原で誘発したラットアレルギー性喘息を用いて新しい気道過敏性モデルの作製を試みた。雄性WistarラットをDNP-Ascaris抗原で能動感作し, 無麻酔下で10分間抗原吸入によりチャレンジした。チャレンジの1, 6および24時間後に麻酔下で吸入acetylcholineに対する気道平滑筋の反応性をKonzett-Rossler法変法で測定した。チャレンジの24時間後に有意で著明な気道反応性の亢進が観察された。この気道過敏性はleukotriene拮抗薬ONO-1078およびthromboxane合成酵素阻害薬ozagrelの前処置で抑制され, PAF拮抗薬CV-3988によって抑制傾向が認められた。このDNP-Ascaris誘発喘息によって気道過敏性が発現する時点では気道の血管透過性亢進も観察された。以上の成績から, 新しい気道過敏性モデルがアレルギー性喘息ラットで作製でき, この気道過敏性発現にはleukotrienes, thromboxane A_2およびPAFが関与していることが示唆された。