アレルギー
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そば主要アレルゲンのImmunoblotting法による検討
近藤 康人宇理須 厚雄和田 映子鶴田 光敏矢崎 雄彦山田 一恵増田 進森田 豊
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1993 年 42 巻 2 号 p. 142-148

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抄録

そば過敏症は, そばの摂取によって, ショック, 喘鳴, 呼吸困難, 喉頭浮腫, 蕁麻疹, 腹痛, 嘔吐等の即時型アレルギー症状を呈し, その機序としてI型アレルギーの関与が言われている。筆者らはそば特異的IgE抗体陽性者の血清を用い, immunoblotting法, radioallergosorbent test (以下RAST) 法, RAST inhibition法を行い, そば主要アレルゲンの同定を試みた。immunoblotting法で50%以上の患者のIgE抗体と結合能を示したバンドの分子量は, 67〜70kD, 26kD, 24kDであり, 24kDのバンド (以下BW24KD) が最も陽性率が高かった。RAST法では, そば特異的IgE抗体陽性患者41名中35名 (約85%) がBW24KDに対しても陽性を示し, そば抗原とBW24KDに対する%bindingの間には正の相関 (LogY=0.929LogX-0.689, r=0.92, p<0.001) がみられた。また, RAST inhibition法では, そばとBW24KD間で50%以上の抑制がみられた。以上からBW24KDはそばの主要アレルゲンの1つであると考えられた。またBW24KDは, 分子量の異なる何種類かの蛋白質とheterodimerを形成していると示唆された。

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© 1993 日本アレルギー学会
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