1993 年 42 巻 8 号 p. 920-925
気道反応性に対するcyclic nucleotide phosphodiesterase (PDE) isoenzyme 阻害薬の影響を検討するために, isoenzyme type IIIの選択的阻害薬, SDZ MKS 492を用い実験を行った。6頭のビーグル犬を用い, およそ1週間の間隔でcontrol, SDZ MKS 492 1.0mg/kg, 0.3mg/kg及び0.1mg/kg前投与によるmethacholine (Mch) 吸入に対する気道反応性を測定した。初期呼吸抵抗及びMchに対する気道反応性は, 7Hz oscillation法によるアストグラフ (Chest TCK6100H) により測定した。初期呼吸抵抗はSDZ MKS 492投与により用量依存性に有意に低下した。気道反応性log Dmin (logU) は, SDZ MKS 492投与により有意に抑制され, 明らかな用量依存性が認められた。また気道反応性log PD_<2.0> MchはSDZ MKS 492 1.0mg/kg投与後に有意に低下した。以上より, PDE isoenzyme type IIIを選択的に阻害することにより, 呼吸抵抗及び気道反応性が低下することが示された。